2022 コルツ FA後戦力分析とドラフトの展望
前回はオフシーズンFAの動きをまとめました。今回はそれらを踏まえ、現状のINDの戦力分析とドラフトへ向けた展望について書いていきたいと思います。
戦力分析
※各ポジションは主要メンバーを挙げています。
QB
STAY:Sam Ehlinger
OUT:Carson Wentz
IN:Matt Ryan
Wentzがコマンダーズへトレードされた代わりに、ATLからトレードでMatt Ryanを獲得。ここ最近はシーズン毎に先発QBが変わっており、これで5人目。いい加減QB定着させて欲しいところなんですけどね…。ただし、今回来たのはあのMatt Ryan。RyanといえばMVP受賞歴もある言わずもがなの実力派QB。単純にパサーとしては大幅にアップグレードした形。年齢的に不安もありますが、その豊富な経験とリーダーシップにも期待したいところ。BradyやStaffordのように、Ryanもぜひ新天地でのSB制覇を成し遂げて欲しいです!
RB
STAY:Jonathan Taylor、Nyheim Hines、Dion Jackson
OUT:Marlon Mack
Taylor・HinesのDuoは今季も健在。Taylor様今年も頼みます笑。控えは2年目Dion Jackson。成長に期待。
WR
STAY:Michael Pittman Jr. 、Parris Campbell、Ashton Dulin、Dezmon Patmon、Mike Strachan
OUT:Zach Pascal
去就不透明:TY Hilton
新エースPittmanに期待がかかります。Dulinも昨季スピードを活かした活躍を見せ、今季さらなる飛躍に期待。Campbellは毎年怪我でシーズン完走ならず。そろそろ結果を出したいところです。その他現有戦力ではPatmon、Strachanという若手大型WRもおり、どちらかに覚醒を期待したいです。
一方、昨季Slotで出場していたPascalはPHIへ流出し、TYも今のところ再契約の報はありません。現状のユニットではルートランナー系やSlot系のWRが少ないので、そうしたタイプのWRをドラフトで補強したいところです。
TE
STAY:Mo Alie-cox、Kylen Granson
OUT:Jack Doyle
Doyle引退で大きく戦力ダウン。現状パスターゲットとしてのインパクトに欠けるので、ドラフトでの補強は必須かと。中位以降での指名を期待したいところです。
IOL
STAY:Ryan Kelly、Big Q、Danny Pinter、Will Fries
OUT:Mark Glowinski、Chris Reed
昨季スターター級の2人が流出し、大きく戦力ダウンしているユニット。現状穴埋めは若手のPinterかFriesになるので、2人の成長に期待したいところ。そうでなくても単純にデプスも足りていないので、ドラフトでの補強は十分あり得ると思います。
OT
STAY:Braden Smith、Matt Pryor、
OUT:Eric Fisher
IN:Brandon Kemp
問題のユニット。PryorがLTのスターターとなるのか注目です。いずれにしても頭数が足りてないので、ドラフトでの補強はほぼ間違いないと思いますが、下位でデプスを補強するのか、それとも上位でスターター候補を取りに行くのか。
DI
STAY:DeForest Buckner、Grover Stewart
OUT:Taylor Stallworth
安定のコンビは今年も現在。とくにテコ入れの必要もないかと思います。
DE
STAY:kwity Paye、Dayo Odeyingbo、Tyquan Lewis、Ben Banogu
IN:Yannick Ngakoue
OUT:Al-Quadin Muhammad、Kemoko Turay
長らく大穴ユニットでしたが、Ngakoue加入で一気にアップグレード。2年目Paye、Odeyingboにも期待。
LB
STAY:Darius Leonard、Bobby Okereke、Zarie Frankin、E.J.Speed
IN:Brandon King
OUT:Matthew Adams
安定の布陣。特にテコ入れの必要もないと思います。Leonard様今年も頼みます。
CB
STAY:Kenny Moore、Isaiah Rodgers、Marvell Tell、Anthony Chesley、Chris Wilcox
IN:Stephom Gilmore、Brandon Facyson
OUT:Rock Ya-sin
去就不透明:Xavier Rhodes、T.J.Carrie
こちらも長らく大穴ユニットでしたが、スターCB Gilmoreの加入でアップグレード。年齢的に若くはないですが、まだまだ十分やれるでしょう。逆サイドは新加入FarysonかRodgersの若手CBに期待したいです。
S
STAY:Khari Willis、Julian Blackmon
IN:Rodney McLeod、Armani Watts
OUT:George Odum
去就不透明:Andrew Sendejo
スキームが代わったことで2highタイプのBlackmonのスキームフィットには若干の不安がありますが、その他は特にテコ入れの必要はないかと思います。
ドラフトへの展望
毎度のドラフト展望という名の個人的願望を。
まずは指名権の整理から。
今ドラフトのINDの指名権は以下の通り。
2巡42位(via コマンダーズ)
3巡73位(via コマンダーズ)
4巡122位
5巡159位
5巡179位(補填ピック)
6巡216位(補填ピック)
7巡239位
1巡は昨年のWentzのトレードのために売ってしまい、INDオリジナルの3巡も今オフのRyan獲得のためにATLへトレードに出しています。ということで、最初のピックは2巡の42位ということになります。この指名順は、なんとも微妙な順位。各ポジショントップ集団には届かないとしても、1巡から溢れてきた次点のグループにはギリギリ届くか届かないかといったところ。Ballardのことなので、もしかしたらトレードダウンというのも選択肢の一つになるかもしれませんが、いずれにしても今ドラフトはこの2巡42位を効果的に使いたいです。ちなみに、トレードアップは対価に出す指名権が少ないので、ほぼないでしょう。
さて、現状でのドラフトのニーズは以下の通りだと思います。
・最優先、補強必須→WR、TE
・次点で優先的に補強→OT、IOL
・余裕があれば、デプスで→DE、CB、LB、S、RB
・大穴→QB
今オフはBallardにしては珍しくFAで積極的に動き、特にディフェンスを重点的に補強したため、ドラフトでのニーズはオフェンスが中心になります。その中でも最優先で補強したいのがWRとTE。現状パスターゲットの層が薄いため、新QB Ryanのためにもパスターゲットは充実させたいところ。次点でOTも補強したいです。現状LTのスターターはPryorですがスターターとしては五分五分。機会があれば指名も十分にありかと。またスターター級が一気に2人抜けたRGを埋めるべくIOLの指名も余裕が有ればありです。
ディフェンスに関しては、DEにNgakoue、CBにGilmoreを補強し、それなりに陣容は整ったのでドラフトでのニーズは下がります。ただ、デプスはまだ薄いので、下位での指名は十分あり得ます。また、そうでなくてもBPA気味な指名をするBallardのことなので、突然のディフェンス指名もあり得ると思います。
そして大穴ニーズなのがQB。今オフにMatt Ryanをトレードで獲得し2年契約を結んでいるので、今シーズンと来シーズンはRyanで行くでしょう。ただ、Ryanも年齢的には若くなく、また実力派Ryanの元でルーキーQBを育成しながら世代交代を図るという狙いで、今ドラフトでルーキーQBを補強する可能性もなきにしもあらず。そういう意味で大穴QBかなと。
さて、上記のニーズを踏まえてドラフトの展望について考えてみます。まず2巡42位はWRの指名に使うのが得策かと。なにせ、1番のニーズポジションですから。狙うならDotson、Tolbert、Skyy Mooreあたりでしょうか。ただ、目ぼしいWRが全て売り切れてしまう可能性も大いにあり。その場合はOT指名(モックではOT Raimann指名が多いです。)もしくはトレードダウンが得策かと。確かにTEは補強必須ポジションではありますが、2巡42位を使ってまで欲しいかと言われれば微妙。正直3巡以降でも誰かしら取れそうな感じはあります。なので、この42位は目ぼしいOTが残っていればそのOTに、もしくはトレードダウンで弾数を増やすというのが良いのかなと思います。2巡、3巡、4巡あたりは十分スターター級が取れるはずなので、ここら辺の指名権は効果的に使いたいです。
最後に、何の根拠もない個人的な願望を一つ。ドラフト指名及びその育成には何かと評価の高いBallardですが、個人的には「2年に1回」だと思っています。これは2年に1回ドラフトで成功を収めているということです。以下Ballardの指名歴を簡単に。
2018年 Q、Leonard、Smith、Hines等
2019年 Ya-sin、Banogu、Okereke、Willis等
2020年 Pittman Jr. 、Taylor、Blackmon、Eason等
2021年 Paye、Odeyingbo、Granson等
こうしてみると、確かに毎年スターターになる選手は輩出しているものの、目を惹くのは’18年と’20年。’18年はQとLeonardという2大エースを指名し、Smithや Hinesも戦力として欠かせない存在となっています。この’18年ドラフトがBallardの評価を大きく上げる結果となりました。また’20年でも大エースRB Taylorに加え、新エースWRとなったPittmanも指名しており、この2枚取りは見事だと評されています。さて、今回の2022年ドラフトはその「2年に1回」の年。今ドラフトで指名した選手からぜひプロボウラーやオールプロに選手されるような活躍のする選手が出てくることを切に願うばかりです。
今回は以上です。
ありがとうございました。