2021 W2 コルツ vs タイタンズ レビュー
コルツ 16 ー 25 タイタンズ でコルツ3連敗
鬼の5連戦、絶対に負けられない地区ライバルとの直接対決でもある第3戦のタイタンズ戦も敗北。これで3連敗です…。言葉も出ません…。
それでは以下レビューです。
スタッツ参照
https://www.espn.com/nfl/matchup?gameId=401326318
https://www.pro-football-reference.com/years/2021/advanced.htm
総評
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | ||
コルツ | 0 | 10 | 3 | 3 | 16 |
タイタンズ | 7 | 7 | 0 | 11 | 25 |
ちゃんと負けました。しかも相手は怪我人続出で後半はAJとJulioの2枚エースWR抜きというハンデまでもらっておきながらこの結果(こちらもけが人続出していましたが…)。さらに3つのターンオーバーを奪っておきながらのこの結果なので、この試合だけで考えれば、コルツとタイタンズの力の差はこの点差以上に大きいのかもしれません。
オフェンス
Total | Rushing | |||
YDS | AVG | YDS | ATT | AVG |
265 | 4.6 | 87 | 18 | 4.8 |
Passing | ||||
YDS | C/ATT | AVG | INT | SACK |
178 | 19/37 | 5.2 | 0 | 2-16 |
結局のところ、課題はいつもと変わらず要所での決定力です。実際この試合でもTDはたったの一つしか取れていません。この点については詳しく後述しますが、やはりTDを取れないと厳しいです。しかも今回の試合はディフェンスからターンオーバー3つももらっています。それでいてこの成績というのはなんとも不甲斐ないです。
・GL・レッドゾーンオフェンス
今回の試合でもTDを取り切れない場面が非常に多かったです。今回に関してはコールがというよりは、QBのスローミス、WRのドロップといった選手側のミスによる面が大きかったと思います。今回の試合では特にポゼッション的にもタイタンズ優勢だったので、数少ないチャンスをミスで無駄にしてしまったことも、大きな敗因の一つにつながってしまいました。こういうミスをきっちりと修正していかなければ、今後も強豪相手には絶対に勝てないでしょう。
TD惜しかったプレー集、というよりTD取れたのに取れなかった喝プレー集 pic.twitter.com/MwVOBwXv7n
— Jacoby 鰤 @伍長 (@jajacobybribri) 2021年10月5日
ラン
Rushing | |||||
CAR | YDS | AVG | TD | LONG | |
Jonathan Taylor(RB) | 10 | 64 | 6.4 | 0 | 23 |
Nyhein Hines(RB) | 6 | 25 | 4.2 | 1 | 9 |
Michael Pittman Jr.(WR) | 1 | 5 | 5.0 | 0 | 5 |
Ashton Dulin(WR) | 1 | -7 | -7.0 | 0 | -7 |
スタッツでは、全体的に低めで、トータルのラン獲得ヤードも87ydとかなり低めです。ではこの試合でランが出なかったかと言われるとそうとは思いません。
この低めの数字は、そもそものランの回数が少なかったことによるものだと思います。オフェンスのトータルプレー数が57回に対して、ランの回数は18回です。割合的にはおおよそ30%程です。これまでの試合ではおよそ40%ほどだったので、やはり体感少ないかなという印象です。(おそらくポゼッションで劣勢だったので、そもそもの攻撃回数が少なかったことも影響しているかもしれません。)
いずれにせよ、ラン自体はそれなりに出ていたかなという印象です。ここ2戦の相手と比べるとタイタンズのフロントは緩く、1列目もそれなりにコントロールできていたので、結果ランが出る場面も少なくなかったです。実際、ラン全体の獲得ヤードの平均は今シーズンで最も高く、Taylorの獲得ヤードも最も多いです(シーホークス戦はAVG3.8、Taylor 56yd、ラムズ戦はAVG4.2、Taylor 51yd)。これは結果論かもしれませんが、今回の試合ではもう少しランを使ってみても良かったのではと思います。ただ、要所ではタイタンズディフェンスにランを止められてしまっていました。
パス
Receiving | ||||||
REC | TGT | YDS | AVG | TD | LONG | |
Michael Pittman Jr.(WR) | 6 | 12 | 68 | 11.3 | 0 | 18 |
Nyhein Hines(RB) | 5 | 6 | 54 | 10.8 | 0 | 36 |
Zach Pascal(WR) | 2 | 7 | 31 | 15.5 | 0 | 27 |
Mo Alie-cox(TE) | 2 | 2 | 14 | 7.0 | 0 | 11 |
Jack Doyle(TE) | 1 | 2 | 10 | 10.0 | 0 | 10 |
Parris Campbell(WR) | 2 | 4 | 9 | 4.5 | 0 | 5 |
Jonathan taylor(RB) | 1 | 1 | 8 | 8.0 | 0 | 8 |
・Wentz
スタッツ的にもプレー的にも今シーズンではワーストの内容だったかなという印象です。前週のラムズ戦での足首のねん挫の痛みを抱えたままの出場だったので、その影響はやはり大きかったかなと思います。プレッシャーがかかると普段のように機動力で打開することもできず、純粋に投げ捨てとなってしまったので、それが成績やプレーに響いてしまいました。ただ、それとは別に、この試合では全体的にパスの精度が良くなかったです。Wentzの純粋なスロー精度の問題なのか、それともまだ完全にターゲットとのタイミングが合っていないのか。いずれにしても、上述のTDを取り切れなかったプレーのように、Wentzのスローミスによって要所で決めきれなかった場面も少なくなかったので、このスロー精度の問題は要改善です。
・WR・TE
まずまずの出来だったかなと思います。
Pittmanは前週のように100ydとはいきませんでしたが、68yd獲得でチームのリーディングレシーバー。要所での良いキャッチも見せており、ターゲットになる回数も多いので、いよいよWentzの本格的なホットラインになりつつあるかなと思います。
一方Pascalはこの試合は喝!大事な場面でのドロップが目立ちました。PascalのドロップがなければTDになっていたであろうプレーも多いです。このドロップ癖がなくなればいよいよ本格的にRZのエースWRになれるんですけどね…。
TEの2人はまあ普通です。
・パスプロ
やはり、今回も全体的に出来は良くなかったです。どうしてこんなにパスプロボロボロになっちゃったんですかね…。
RTのDavenportとPryorは特に変わらず。
しかし、この試合一番問題だったのはLT Fisher。Fisherが漏らすことが多く、今回の2サックはすべてFisherが漏らしたものです。パスプロの評価は元々高くなかったですが、正LTがこの出来だと、この先かなり不安です。ラムズ戦ではそれなりにやれていたので期待してたんですけどね…。
一方、Qが試合中ケガで途中離脱となってしまいました。代役で入ったReedがどうなるか若干心配もあったのですが、幸い杞憂に終わりました。控えとして、いやスターターとしてでも無難な出来だったと思います。派手さはないですが、安定して役割を遂行できており、現在安定しないOLのなかで控えながら無難にプレーしてくれるのは非常にありがたいです。
GrowinskiとKellyはスターターにもかかわらず、相変わらずちょいちょいミスしていました。スターターなのでそろそろしっかりやってくれ!笑
ディフェンス
Opp Total | Opp Rushing | |||
YDS | AVG | YDS | ATT | AVG |
368 | 5.7 | 180 | 37 | 4.9 |
Opp Passing | ||||
YDS | C/ATT | AVG | INT | SACK |
188 | 18/27 | 7.3 | 2 | 1-9 |
出来は微妙でした。というより、課題の部分が顕著に現れた結果となりました。
ランディフェンスでは、途中まではHenryをよく止めていたので、よくやっていた方かなと。しかし、課題のパスでいつも通りホイホイやられてしまいました。
もちろんパスでやられてしまったことが今回の敗戦の大きな要因の一つであるのは事実です。しかし、この試合ではラッキーもあったとはいえ、3ターンオーバーを奪っています。それにも関わらず負けている訳ですから、流石にこの試合の敗戦をディフェンスの責任にするのは酷な話かなという気もします。
ランディフェンス
奮闘した方だと思います。Henryのこの試合のラン獲得ヤードは113ydでした。正直2ケタに抑えたかったです。ただ、前半はよくHenryのランを止めていたと思います。オープンフィールドに出る前に、LOS付近でしっかり止めるというのが実行できていました。しかし、後半からは、Henryのスクリーンが増えたこと、パスに意識を回さざるを得なくなったこと、集中が切れたこと等様々な要因が考えられますが、Henryにズルズル出されてしまいました。
・1列目の奮闘
前半ランをよく止めてた要因は、コルツディフェンスの1列目の奮闘だと思います。NT Stewartはランストップに関してはやはり優秀ですね。彼が中からしっかりと押し込んでくれていたので、結果中のGAPが詰まりランを止めることが出来ていました。また、同じくランストップに貢献していたのがDEのAQMとLewis。コルツディフェンスでは、基本的に1st down、2nd downはランストップに優れたタイプのDE、3rd downのパスシチュはパスラッシュタイプのDEというように、シチュエーションに合わせてDEを使い分けるローテを起用しています。そしてそのランストップタイプのDEというのが上記の2人。やはりランストップタイプで起用されるだけあって、2人ともランストップに関しては優秀だなとこの試合を見て感じました。バックサイドから割って自らキャリアーにタックルに行ったり、トイのOLを押し込んで外の走路を潰したりと、ランストップに大きく貢献していたと思います。結局ランストップは1列目次第(と個人的に思ってます)なので、1列目がランストップ優秀というのは、ランディフェンスにおいてアドバンテージかなと思います。
・CBのストーク弱い問題
Henryにゲインされたプレーは、スイープなどのオープン・オフタックルのラン、そしてスクリーン(これは厳密にはパスですが、今回はHenryということでランの項目で一緒に扱います。)がほとんどだったかなという印象です。そしてこれらのプレーは不思議なことに(ディフェンスから見て)右サイドに打たれることが多かったのですが、これらのプレーでゲインされてしまった要因として、CBのランサポート、ストークが良くないからというのも一因に上げられると思います。当然CBだけの責任ではありませんが、Rhodesのストークが良くなかったのは事実です。実際ラムズ戦でもWRスクリーンでロングゲインされているので(この時はコールが大外れだったというのもありますが)、大外のランサポ、ストークも課題かなと思います。
・Tannehillのスクランブル
Tannehillは実はそこそこ走れるというのが厄介です。この試合でもTannehillに56ydも走られており、要所でTannehillのスクランブルで状況を一変させられてしまいました。ただでさえ試合を壊さない良いQBでしたが、自ら状況を打開できるようにまでなってしまうと、いよいよ本当に厄介なQBです…。
パスディフェンス
結果課題はいつもと変わらず。案の定パスでやられました。それにしてもAJ、Julioがいなかったにも関わらずやられたとは何とも情けない話です。
パスカバー
・ミスコミュニケーション問題
この試合では、パスカバーのミスコミュニケーションと思われるものが多かったです。2回目、3回目のTDもどちらもカバーのミスコミュニケーションによるものだと思います。ただでさえ個人のカバー能力が低いのに、ミスコミュニケーションまで起こるといよいよカバー崩壊です。喝です。
このTDおそらくディフェンダーのミスコミュニケーションだよな。誰もこのスラント見てる人がいないもん。ただでさえDBのカバー能力高くないのに、コミュケーションミスまであったら無理じゃん笑。 pic.twitter.com/j4b9By4Rvw
— Jacoby 鰤 @伍長 (@jajacobybribri) 2021年10月6日
これもたぶんミスコミュニケーション。左の大外アンダーに残ってる人が誰もいない。 pic.twitter.com/9t3Pb1X93L
— Jacoby 鰤 @伍長 (@jajacobybribri) 2021年10月6日
・Kenny Moore MtoMビミョい問題
ChesterにTD取られたプレーは完全にNCB MooreがMtoMでやられたのが原因です。元々Mooreはマンカバーが得意なタイプではなく、むしろゾーンカバーでボールが投げられてからターゲットの間にスッと入るのが上手いタイプのDBです。なのでMooreにMtoMさせるのどうなのというのはあります。ただ、GLではどうしてもMtoMを敷かざるを得ない場合も多いです。そこでMtoMが弱いと一生GLで1on1で狙われ続けてしまいますので、最低限スラントで内にぶち抜かれない程度のMtoMは出来てほしいです。
・Rhodes大穴問題
そして最も問題なのがRhodes。相変わらず縦の1on1に弱すぎます。しかもまともにカバー出来てないだけでなく、反則まで出してしまう始末。これだと縦に投げておけばキャッチかPIで必ずゲイン出来てしまうことになります。実際Rhodesは今やパスディフェンスの大穴になってしまっているので、もう少しまともな若いCBに替えてほしいです。
パスラッシュ
こちらも相変わらず問題です。試合通してのサック数はたったの1つ。パスラッシュなんて無いも同然で、Tannehillが気持ちよくパスを投げていました。パスラッシュがかからない理由は単純でEdgeからのプレッシャーが弱いから。これに関してはもちろんDEの問題もありますが、上述したタイプごとに使い分けるDEローテによる要因も大きいと思います。1st down、2nd downはランストップタイプ、3rd downはパスラッシュタイプと使い分けていますが、そもそも1st donw、2nd downにランがくるとは限りません。結局、パスラッシュがかかっていないのは、1st down、2nd downだとランストップタイプのLewisとAQMだから、というのも大きいと思います。
結局この問題を解決するためには、ランストップもパスラッシュもこなせる万能なDEが必要になります。この点Payeには期待がかかっていた訳ですが、現状まだどちらも満足なパフォーマンスとなっていません。ランストップはパワー不足、パスラッシュもパワー不足とテクニック不足でまだまだNFLレベルでは物足りないレベルです。さらにPayeはこの試合で負傷し、途中離脱してしまいました。このままだとPaye大外れだったと言われかねないです。
・Turay
DEローテについての是非はさておき、現状コルツのパスラッシュタイプDEとして最も期待できるのがTurayかなと思います。出番は多くはありませんでしたが、良いラッシュを見せていました。今年こそTurayのブレイク期待です。
残念ながら今回の地区内ライバル対決は敗北という結果となってしまいましたが、もう一度直接対決があります。次回こそは絶対に勝利してほしいなと思います。
FOR THE SHOE !!
最後まで読んでいただきありがとうございました。