2021 W2 コルツ vs ラムズ レビュー
コルツ 24 ー 27 ラムズ でコルツ2連敗
鬼の5連戦、第2戦のラムズ戦も敗北し、これで2連敗です…。きついです…。
それでは以下レビューです。
スタッツ参照
https://www.espn.com/nfl/matchup?gameId=401326318
https://www.pro-football-reference.com/years/2021/advanced.htm
総評
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | ||
コルツ | 0 | 6 | 8 | 10 | 24 |
ラムズ | 7 | 3 | 7 | 10 | 27 |
点数的には僅差ですが、これはラムズのパントでのミスでおまけをもらったから。実際はもう少し差があった内容でした。ただ、後述するように、どこかのチャンスで得点を取れていればオーバータイム、あるいは逆転勝利となっていたかもしれませんので、そこが悔やまれます。
オフェンス
Total | Rushing | |||
YDS | AVG | YDS | ATT | AVG |
354 | 5.4 | 109 | 26 | 4.2 |
Passing | ||||
YDS | C/ATT | AVG | INT | SACK |
245 | 22/36 | 7.6 | 2 | 3-27 |
今回も要所での決定力に欠けました。この問題に関しては詳しく後述します。
オフェンス全体としては、やはりラムズのディフェンス(と言ってもほぼDonaldですが)に苦戦しているようでした。ランは出ず、パスも強力なプレッシャーを受けて苦しい展開でした。
しかし、この試合のオフェンスでは良かった点もありました。ランだけでなく、ショートやミドルのパスもしっかりと成功させてゲインを重ねることができたため、従来よりも遥かにテンポの良いオフェンスとなっていました。これがより成熟すれば、かなり期待できるオフェンスとなるのではないかなと思います。
ただ、どんなにテンポよくゲインを重ねても、最終的に得点に結びつかなければ何の意味もありません。この点、得点に結びつけるためのオフェンス、すなわちレッドゾーン・GLオフェンスという点では現状大きな課題があります。この試合ではそれが最悪の形で露呈することとなり、結果勝敗にも大きく響いてしまいました。
コルツは前半、G前5yd以内まで迫っていながら無得点に終わってしまったドライブが2回もあります。このうちどちらかで得点できていれば結果的には逆転できていた可能性もあるだけに、非常に悔やまれます。ここでは、そのドライブについてコメントしていきたいと思います。
・コルツオフェンス1st Drive
コルツオフェンスの最初のドライブでは、ランやパスでテンポよくゲインし、1st&Goal , GLまで残り1ydという絶好のチャンスが回ってきます。しかし、ここでコルツオフェンスはランを3回選択するもTD出来ず。そして4th downでPAパスを選択するもサックされ、そのままターンオーバーという最悪の形で終わってしまいました。この点に関しては、私はHCらプレーコーラー陣の責任が大きいのではないかと思います。
まずは3回のオフェンスでTDを取れなかったことについて、確かに相手ディフェンスに押し込まれたOLはじめオフェンス選手の問題もあったでしょう。しかし、1回目で押し込まれていたにもかかわらずさらに2度もランでごり押しするべきだったのか、PAやドロップバックのパスも入れてみても良かったのではないか、あるいはランでごり押すにしてもただタイトな隊形から打つのではなく、スプレッドな隊形にして相手ディフェンスを拡げる等工夫できたのではないか、スニークでよかったのではないか(これは試合後Reichもそうコメントしています。鰤セットがいたら間違いなくやっていたでしょう。)といった点はコーラー陣に問われる課題かなと思います。他方、4th downギャンブルに失敗したことに関して、そもそも個人的にはFGでよかったのではと思っています。ただこれはあくまで結果論ですし、残り1ydならgoしたくなる気持ちも分かります。しかし、goするならしっかり成功させてほしかったです。しかもただ失敗するだけでなくサックされてロスして終わるという何ともやりきれない結果となってしまいました。
さて、ここまで書いてきたことはすべて結果論と言われれば確かにそうです。しかし、「結果」を出すのがコーラー陣の仕事ですし、ましてや4回もチャンスがあったにもかかわらず「結果」が出せていない訳なので、責められても仕方がないかなと思います。個人的には基本的にReich擁護派ですが、こればかりは流石に擁護できないかなと思います。
・コルツオフェンス3rd drive
コルツオフェンス3回目のオフェンスでも上手くボールを運び、GL前残り3ydの地点までたどり着きます。次の攻撃はTEへのピッチ。しかし、そのプレーでTEとピッチのタイミングが合わず、そのピッチを相手ディフェンスがINT。結局ターンオーバーとなり、またしても無得点のまま終わってしまいました。
🚨 FIRST CAREER INT FOR @troyreeder9 🚨 pic.twitter.com/C9447UMdlb
— Los Angeles Rams (@RamsNFL) 2021年9月19日
このプレーに関しては、RGおよびRTのコンボブロックが悪く、ドナルドに割られてしまったため、TE Doyleとピッチのタイミングが合わずに失敗といった感じでしょう。(有識者の方に教えていただきました笑。)プレー自体の狙いは良かったと思うのですが、最悪のシチュエーションで最悪の形でやられる結果となってしまいました。
以上のように、2度のチャンスを全く活かすことができませんでした。どちらかFGさえ入れていれば結果的には同点になっていた訳ですから、非常に悔やまれます。ただ、FGさえ決めればOKではありません。FGは最低ラインであって、目指すべきはTDです。TDをとるのとFGで終わってしまうのとではやはりその差は大きいです。実際、この試合でもTDはたったの1回しか取れていません。今後、RZあるいはGLでしっかりとTDを取り切れるか、というのがコルツオフェンス最大の課題となっていくでしょう。
ラン
Rushing | |||||
CAR | YDS | AVG | TD | LONG | |
Jonathan Taylor(RB) | 15 | 51 | 3.4 | 0 | 13 |
Carson Wentz(QB) | 5 | 37 | 7.4 | 0 | 14 |
Marlon Mack(RB) | 5 | 16 | 3.2 | 0 | 6 |
Nyhein Hines(RB) | 1 | 5 | 5 | 0 | 5 |
この試合でもランはあまり出ていなかった印象です。OL陣が相手DLをあまり押し込めていませんでした。特にGLではかなり押し込まれていました。まあ、ランだとガン読みされていたので仕方ないですが。C Kellyが1on1でDTを上手くコントロールできていなかったので、それもランがあまり出なかった要因の一つかなと思います。プロボウラーCとしては物足りないので、もう少し頑張ってほしいです。
Taylorは51yd、LONG 13ydとこの試合も物足りないスタッツ。これに関しては、相手ディフェンスが強い、ギャップが開いていないといったTaylor以外の問題によるところが大きいと思いますので、特に心配はいていません。
この試合ではMackのキャリーもチラホラ見かけました。CAR数自体が5と少ないので何ともですが、AVG3.2とまずまずの出来。やはりMackも優秀なRBですね。ただ、彼はギャップが空くのをじっくり見てから走るタイプなので、ギャップが空かなかったりするとノーゲインになりやすいというのが特徴かなと思います。ショートヤーデージではギャップに素早く上がれるTaylorのほうがいいかなと思います。
一方、前回そこそこキャリーしていたHinesは、この試合1CAR。今回は出番が少なかったようです。まあ彼はピンポイントで送り出す隠しウェポンみたいな存在ですし、特に問題もないかなと思います。
パス
Passing | |||||||
C/ATT | YDS | AVG | TD | INT | SACK | RTG | |
Carson Wentz | 20/31(64.5%) | 247 | 8.0 | 1 | 1 | 3-27 | 86.3 |
Jacob Eason | 2/5 (40.0%) | 25 | 5.0 | 0 | 1 | 0-0 | 16.7 |
Receiving | ||||||
REC | TGT | YDS | AVG | TD | LONG | |
Michael Pittman Jr.(WR) | 8 | 12 | 123 | 15.4 | 0 | 42 |
Jack Doyle(TE) | 5 | 8 | 64 | 12.8 | 0 | 34 |
Zach Pascal(WR) | 5 | 6 | 38 | 7.6 | 1 | 9 |
Mo Alie-cox(TE) | 1 | 2 | 18 | 18.0 | 0 | 18 |
Nyheim Hines(RB) | 1 | 2 | 17 | 17.0 | 0 | 10 |
Ashton Dulin(WR) | 1 | 2 | 10 | 10.0 | 0 | 10 |
Jonathan taylor(RB) | 1 | 1 | 2 | 2.0 | 0 | 2 |
Marlon Mack(RB) | 0 | 1 | 0 | 0.0 | 0 | 0 |
Mike Strachen(WR) | 0 | 1 | 0 | 0.0 | 0 | 0 |
今回はパスが非常に調子よかったと思います。RPOチックなパスも増え、クイックなパスでテンポよくゲイン出来ていたのがgoodでした。
・Wentz
この試合のWentzの出来は非常に良かったと思います。1INTはTEピッチのINTなので実質0INT。クイックなパスでコンスタントにゲインを重ねることができていた上、プレッシャーを受けた中でもしっかりとパスを通せていた点が非常に良かったです。特に、Pittmanへのロングは素晴らしかったですね。
Take a hit to make the play.
— Indianapolis Colts (@Colts) 2021年9月19日
📺 FOX pic.twitter.com/DItJMjZIjg
また、最悪QBスクランブルという選択肢を持っているのも大きいと思います。今回の試合でもWentzのスクランブルに救われた場面は少なくなかったです。以上のようなWentzのプレーは昨年には無かったものなので、パスオフェンスに関しては間違いなく昨年よりパワーアップしていると思います。
また、Wentzは次第にターゲットたちとのコネクションを作れているようで、それがこの試合を通じてうかがい知れたのも良かったポイントです。この試合では、特にPittmanとDoyleがターゲットになることが多く、もしかしたら今後この二人がWentzのお気に入りのターゲットになるかもしれません。そのようなターゲットがいるとQBとしても心強いでしょう。
・Eason
Wentzの怪我で途中から出番が回ってきました。公式戦初出場です。しかし、よりにもよって4Qの2ミニッツで3点ビハインドという厳しい場面。スローを投げましたが、RamseyにINTされ、これが決定打になってしまいました。とはいえ、初出場の2年目QBにはこの大きなプレッシャーがかかるシチュエーションはさすがに酷だったと思います。
・WR
本当に久しぶりにWRたちがWRっぽい活躍をした試合でした。
この試合で最も目立ったのがPittman。この試合のコルツのレシービングリーダーで、8REC、123ydと優秀な成績も残しました。特に上記の42ydのロングパスは上手く相手とも競り合ったキャッチで素晴らしかったです。希望が見えてきました。たまたま1試合上手くいっただけでないことを祈るばかりです。今後TY不在の間はもしかしたらPittmanがWentzのホットラインになるかもしれません。そうすれば、今シーズン通して正真正銘のブレイクも見えてくるかなと思います。
一方で相変わらず渋い活躍を見せているのがPascal。優秀なSlot WRだと思います。この試合でもTDパスをレシーブしており、特にRZで頼りになる存在です。今後もRZで活躍する機会も多いかもしれません。
・TE
こちらもかなり久々に存在感を出しました。
この試合では、Doyleが久々に活躍しました。5REC、64yd、LONG34でチームでは2番目の成績。前回のシーホークス戦のレビューでErtzのようなWentzの相方となれるレシービングTEが欲しいと書きましたが、当然Ertzよりは劣るものの、もしかしたら今後DoyleがWentzのお気に入りのターゲットになるかもしれません。
Alie-coxは、この試合では確かRPOのクイックなパスをキャッチしていたはずです。しかし、彼はそこまでルートランにキレのあるタイプではないので、むしろフィジカルを活かして、RZでCBと競り合わせてぶん投げる要員のほうがよいのではないかなと思います笑。
・パスプロ
サック3、QBヒット11。この試合もあまりよくありませんでした。この試合からLTにFisherが復帰し、メンツはLT Fisher、LG Q、C Kelly、RG Growinski、RT Davenport。Fisher休みの時はLTにDavenportが入り、RTにPryorの布陣でした。
気になるFisherの出来ですが、個人的には良かったと思います。概ねしっかりプロテクションできていましたし、多少やられた場面もありましたが、1年のブランクを考慮すれば十分合格点だったと思います。ひとまずFisherがしっかりやれることが分かって安心です。
一方でDavenportですが、案の定やられる場面も多かったです。最初から分かっていたことですし、本来控えなので仕方のないことなのですが、プロテクションの穴になっていたことは否定できません。特にDonaldがEdgeに入ってマッチアップした時は集札されていました笑。
RG GrowinskiもDonaldに結構やられていました。まあ、Growinskiも普通の人ですし、怪物Donaldに勝てと言うのも酷な話ではあるんですけどね。ただ、結果的にDavenportと合わせて右サイドから崩されることが多かったかなと思います。
そして、C Kellyも実はちょいちょい漏らしていました。個人的には、W1も含めて最近あまり調子良くないように見えます。プロボウラーなのでもう少し頑張ってくれと言うのが本音です。
ディフェンス
Opponent Total | Opponent Rushing | |||
YDS | AVG | YDS | ATT | AVG |
371 | 6.2 | 101 | 29 | 3.5 |
Opponent Passing | ||||
YDS | C/ATT | AVG | INT | SACK |
270 | 19/30 | 9.3 | 1 | 1-8 |
ランディフェンス
思ったよりHendersonにズルズルと出されていた印象ですが、許容範囲っちゃ許容範囲かなと思います。やはり昨年と比べるとパワーダウンした感は否めませんが、今回の試合に関してはやられたのはそこじゃないので、特にコメントもありません。
パスディフェンス
毎度のことですが、案の定今回の試合でもパスでやられました。にしても今回は今まで以上にホイホイやられており、流石にザル過ぎる出来でした。
・パスカバー
案の定のザルカバーで、Kuppにホイホイパスを通されてしまいました。1本目のKuppのTDはWillisがマンカバーでやられたもの。元々Willisパスカバー能力に優れたタイプではありませんでしたが、ここ最近の試合ではWillisがやられてTDにつながってしまう場面が多いように感じます。特にディープカバーとマンカバー能力に課題があるように思います。2本目のKuppのTDは、ゾーンカバーでやられました。もちろんYa-sinに個の力があればおそらく止められたプレーでしたが、カバー的にはやられるべくしてやられたプレーだったかなと思います。
以前どこかで書いたと思うのですが、特にコルツはミドルセンターやディープセンターのゾーンのパスに弱く、この試合では特にそこを狙われたかなという印象です。ゾーンカバーが主体である以上、どうしてもそういったゾーンはオープンになってしまいがちで、アクロスみたいなコースは特にカバーがしにくいので、オープンになりやすくなってしまいます。ならマンツーマンにすれば良いのではという話なのですが、残念ながらそう上手くもいかないんです…。元々うちのDB達は個の力が弱いですから、マンカバーにはどうしても不安ができます。加えてコルツのDB達はマンツーマンの際に極端に外シェードにカバーする傾向にあります。おそらく外をぶち抜かれて大惨事になるのを防ぐためってことなんだと思いますが、当然その結果アクロスやポストといったインパターンのパスに弱くなります。総じてこのような要因からアクロスなどのパターンに弱いパスカバーとなってしまっているのだと思います。
・パスラッシュ
パスカバーに期待できない以上、パスラッシュでなんとかしなければいけないとこれまでずっと言ってきましたが、この試合では、むしろパスラッシュの方に大きな問題があるのではと思ってしまいました。ラムズOLは極端に強い訳ではないはずですが、4menではプレッシャーが皆無でした。相手のプロテクションのカップの形が全く変わらず、Staffordも伸び伸びとスロー出来ていました。コルツのEdgeラッシャーのインパクトが皆無でした。Payeは公式戦ではプロ相手に目立った活躍が出来ていません。慣れてないというのもあるかもしれませんが、1巡DEなのでそろそろ活躍してもらわないと困ります。AQMやLewisもパスラッシュではスターターとして全然物足りないです。こうなるとHoustonかAutryどちらか残した方が良かったという話になってしまいます。DT Bucknerもこの試合ではほとんど存在感ある活躍は出来ていませんでした。Donaldとは正反対です。パスカバーも良くないのにパスラッシュでもプレッシャーをかけられないとなると、パスディフェンスとしてはいよいよ打つ手なしとなってしまいます。どうすればいいんでしょうか…。
スペシャル
BlankenshipはFG3/3、XP1/1とパーフェクト。48ydのFGもきっちり決め、安定感が出てきました。TDがなかなかとれない中で、FGをしっかり決めてくれるのは非常に助かります。
まとめ
これで2連敗です。正直課題点が明確になったと思うので、来週以降修正して一気に流れを逆転させて欲しいと思います。来週は同地区のタイタンズ。絶対負けられません!
FOR THE SHOE!
読んでいただき、ありがとうございました。