コルツキングダム 〜NFLコルツファンブログ〜

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コルツ 2021ドラフトまとめ

3日間にわたるドラフトも終わりを迎えました。そこで今回はコルツの2021年ドラフトについてまとめていきたいと思います。

 

 

コルツ指名一覧

まずは、指名選手を一覧で。

1巡21位:DE Kwity Paye(Michigan、6-3、261)

2巡54位:DE Dayo Odeyingbo(Vanderbilt、6-5、285)

4巡127位:TE Kylen Granson(SMU、6-2、241)

5巡165位:S Shawn Davis(Florida 5-11、202)

6巡218位※:QB Sam Ehlinger(Texas、6-1、220)

7巡229位※:WR Mike Strachan(Charleston、6-5、226

7巡248位:G Will Fries(Penn State、6-6、309)

 

※6巡206位とトレードでNOから獲得

 

では、それぞれの指名についてコメントしていきます。

 

1巡21位:DE Kwity Paye(Michigan、6-3、261)

1巡21位では、かねてからのニーズであるDEを補強しました。指名したのはKwity Paye。この選手はアフリカの難民キャンプ生まれという壮絶な経験の持ち主。生後6か月でアメリカへ移住し、その後フットボールと出会います。貧しいながらも奨学金を得るなどしながらプレーを続け、この度コルツにドラフトで指名され、NFL入りを果たします。これまで自分を支えてくれた母への強い感謝の気持ちを持っており、性格は真面目でフットボールに対しても真摯な姿勢です。さらに学業面でも勤勉で、いかにもコルツが好きそうなパーソナリティーです。

この控えめなポーズも好感が持てますね笑。

高い運動能力を持っており、特に3-corn 6.45秒とクイックネスに非常に長けています。プレースタイルにも彼の真面目な性格が表れており、基本に忠実、かつハイモーターで最後までボールを追いかけます。特にランストップに強い印象で、自分でもしっかりとキャリアーを仕留めにいくことができます。一方でパスラッシュに関してはどこまでテクニックを磨けるか、といったところでしょうか。性格・プレー面ともに真面目なので、バストになる可能性は低く、最低限スターターになるのではないかと思います。

ところで、GM曰くこの21位に関して他チームからトレードダウンの話が来ていたみたいです。しかし、Payeをスルーするだけに見合う価値のあるものは無かったため、断ったとのこと。トレードダウンしていればピックの可能性が広がっていたはずなので、今ドラフトはほぼPayeにオールインしたと言っても過言ではありません。そのため、普通のスターターレベルではなく、しっかりとエース級の活躍をしてもらいたいなと思います。

 

 

2巡54位:DE Dayo Odeyingbo(Vanderbilt、6-5、285)

54位以前に即戦力レベルのOTが皆売り切れてしまいどうするのかと思えば、まさかのDE2人目を指名。正直驚きというかがっかりというか複雑な感情でした。個人的には欲しいOTが売り切れてしまったので、トレードダウンが最善だと思っていたのですが、GM曰くこのOdeyingboも欲しい選手だったのでピックしたとのこと。DEのローテーションを強化したかったようです。仮にこのOdeyingboが活躍してくれるなら、DE固める指名も間違いではないと思うのですが、個人的にはうーんといった印象です。

このOdeyingboという選手についてですが、サイズ・パワーがあり、DEだけでなく3テクでもプレーすることができます。タイプ的にはAutryに似た選手です。ヒットが強く、相手を押し込むことができるので、ランストップには貢献してくれそうです。ただ、ブロッカー処理などが甘く、相手を押し込んでいても自らがタックルまで行けない場面が多かったので、そこは要改善かなと思います。一方で、パスラッシュに関してもブルラッシュを基本としていて、典型的なパワーDEタイプです。ブルラッシュでは相手を押し込んでプレッシャーをかけることができていましたが、大外をまくってサックみたいなプレーは得意ではなさそうです。

上手くいけばAutryのようにパワーDEとして活躍してくれそうです。ただ、コルツはパワーDEは既にたくさんいるので、パワーDEばっかり集めてもなぁ…。

 

4巡127位:TE Kylen Granson(SMU、6-2、241)

4巡はTEを指名しました。TEは地味に補強したかったポジションなので、悪くはないピックだったのではないでしょうか。このGransonという選手はレシービングTEのタイプなのですが、6-2とそこまで大型ではないので、フィジカルで競り合うといったタイプではなさそうです。一方でスピードやクイックネスがあり、RACでもヤードを稼ぐことができるので、WRみたいでユニークなTEだなという印象です。また、カレッジではFBの位置に入ってプレーをしていた場面も多かったです。ただ、ブロック自体は強くなさそうなので、Box内のブロッカーとしてはそこまで有用ではないかもしれません。むしろ、オープンフィールドでパスコースに出してこそ真価を発揮するタイプだと思います。使い方次第では非常に面白い存在なのではないでしょうか。

 

5巡165位:S Shawn Davis(Florida 5-11、202)

典型的な2HighタイプのSFなので、SFのデプス要員として指名したのだと考えています。下記の動画のように広範囲のパスカバーがコンスタントにできれば、現状スターターのWillisやBlackmonとの差別化が図れそうです。

 

6巡218位:QB Sam Ehlinger(Texas、6-1、220)

 驚きの指名その2です。ここでまさかQB行くとは…。Ehlingerについてはパフォーマンスが安定しないという欠点があるようですが、ハイライトだけ見るとかなりのビッグプレーも多かったです。また、Ehlingerの特徴としてその走力が挙げられます。カレッジ時代ランで通算1907yds、33TDを記録しており、「走れるQB」です。現状QB2はEasonだと思うので、Wentzのバックアップを巡って競争することになりそうです。

さて、このEhlinger指名についてはその意図を疑問視する声もありますが、個人的にはQBのデプスを厚くするための指名だと考えています。Wentzのトレード対価の来年の条件付き2巡というのは、簡単に言えば「Wentzをたくさん出場させたら1巡になる」というものです。これは万が一Wentzがケガをしたり使い物にならなかったときのリスクヘッジとしての要素が大きいと思います。そこで、仮にWenztを出場させないorできない場合のために、それなりに使えそうなQBをデプスとして何人か確保しておきたいということで、今回のEhlinger指名だったのではないかと考えています。また、これも個人的な予想にすぎないのですが、今年のコルツオフェンスはWenztの機動力・走力を活かしてRPOやZone Readなどを取り入れたオフェンスが構築されると思います。その点Ehlingerは先述した通り走力を持っており、Wentzとタイプの似ているQBと言えるでしょう。RPOやZone Readを取り入れたWenzt中心のオフェンスに対しては、Ehlingerはすんなりフィットすることができるのではないでしょうか。このようにEhlinger指名には、今シーズンのオフェンス構想とも関連した意図が含まれていたのではないかなと思います。

 

7巡229位:WR Mike Strachan(Charleston、6-5、226

7巡でWRを獲得しました。このMike Strachanは6-5とかなり大型なのが魅力的です。カレッジでもこの体格を活かして1oh1の競り合いを得意としていました。ただディビジョン2の大学出身でNFLレベルで戦うにはまだまだ未完成ですが、類稀な体格のなど素質としては面白いものを持っている存在なのではないでしょうか。



7巡248位:G Will Fries(Penn State、6-6、309)

7巡でOLのデプス要員を指名しました。このFriesは両Gと両OTでの試合経験があり、非常に万能な選手です。一応Gとして指名されていますが、Braden SmithのようにOTへコンバートされる可能性は十分あり得るでしょう。パスプロはまだまだ不安はありますが、ランブロックは良さげです。サイズもあり、育成枠としての素質はあると思うので、RGあるいはRT・LTのスターター目指して頑張って欲しいです。

 

ドラ外指名

WR Tyler Vaughns, USC.
LB Isaiah Kaufusi, BYU.
WR Tarik Black, Texas.
LB Anthony Butler, Liberty.
RB Deon Jackson, Duke.

 

ドラフト総評

今回のドラフトについて、個人的には期待外れだったという印象です。理由は単純で、LTやCBといったニーズを埋めきれていないからです。特に即戦力のLTを指名出来なかったのがキツかったです。LTに関しては54位以前で目ぼしい選手がことごとく売り切れてしまったうえ、Wentz獲得の対価で3巡がなかったために、トレードアップの動きもとれなかったので仕方ない感はあります。ただ、元を辿ればFAでニーズを全く補強していなかっからこういうことになるわけで…。結局即戦力級の指名はほとんどPayeのみで、あとはほとんどデプス要員としての指名です。Payeにオールインしたドラフトと言っても過言ではありません。

さて、愚痴ばかり言っててもアレなので、今回の指名からGMやチームの意図を考えてみたいと思います。今回のドラフトを通じて見えてきたのは、GMはじめチームは現在のチームの戦力、特にスターター陣についてそれなりに自信を持っているのだろうということです。私のような一ファンはOT、DE、CB、WRとニーズが少なくないように思いますが、チーム側が実際にニーズだと捉えているのはせいぜいDEとLTくらいなのだろうと思います。そして今回のドラフトではDEの補強に注力したものとなりました。LTはドラフトで獲得できませんでしたが、GMたちからすればシーズン開幕までFAやトレードなどで動くつもりで、最悪Teviでもそれなりにやれるという算段なのでしょう。また今回大きな補強のなかったCBについてもRhodesらスターター陣で行けるという判断なのでしょう。このようにスターター陣にある程度の自信があるからこそ、デプス要員としての指名が多かったのではないでしょうか。確かにコルツのスターター陣に関しては、机上の空論で言えばそれなりに整っているようにも思えますが…。

結局これで結果を出してくれれば問題はないのですが、結果が出なければ今回のドラフトは大いに反省せざるを得ないものとなる可能性もあります。なんでもいいからそろそろ地区優勝というしっかりとした結果を残して欲しいです。

 

今回はここら辺で終わりです。次回はドラフト後のチーム全体および各ポジションの戦力について分析していきたいなと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。