コルツキングダム 〜NFLコルツファンブログ〜

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コルツ 2020シーズンレビュー②(ディフェンス・ST編)

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今回も2020シーズンのコルツのシーズンレビューをしていきたいと思います。今回は②ということで、ディフェンスとSTについてレビューしていきたいと思います。

チーム総評、オフェンスについてはこちらです。

jacoby-colts.hatenablog.com

 

 

ディフェンス

Total  Rushing Passing Points
YDS YDS/G YDS YDS/G YDS YDS/G PTS PTS/G
5314 (8位) 332.1 1448 (2位) 90.5 3866 (20位) 241.6 362 (10位) 22.6
               

Turnovers(Takeaways)

INT

FUM

Total

15

10

25(5位)

 https://www.espn.com/nfl/stats/team/_/view/defense/table/passing/sort/netYardsPerGame/dir/asc

 

今シーズンのコルツの勝利を支えていた要因の一つとなっていたのが、安定したディフェンスでした。ディフェンスの粘り強さによって勝利した試合も多かったです。またターンオーバーなどビッグプレーも多く、これもチームの勝利に大きく影響しました。総じて今年のディフェンスはチームの勝利に大きく貢献していました。やはり大きかったのがDT Bucknerの加入。ランストップにパスラッシュに欠かすことのできない存在としてディフェンスをけん引しました。またLB Leonardも相変わらずの大活躍。彼のビッグプレーで何度も救われました。総じてコルツディフェンスのフロント陣はリーグ屈指のハイレベルなユニットとなりました。その甲斐もあり、ランディフェンスではリーグ2位の強さ。一方で、インパクトのあるEdge Rusherがいなかったことや、ディフェンダー(特にCB)のパスカバー能力が低かったことなどにより、パスに対しては非常に弱いディフェンスとなってしまいました。

 

ランディフェンス

ラン喪失ヤードは1448ydsでリーグ2位の成績で、ランディフェンスは上出来の結果だったと言えるでしょう。その要因は優秀なフロント陣による高いランストップ能力です。DT BucknerとNT Stewartの2人の強力なIDLが相手OLをしっかり押し込めていたので1列目でランに対してプレッシャーをかけることができました。特にZone系のランに対してはめっぽう強かったです。また、LB Leonardをはじめ、LBの強力な差し込みでしっかりとGAPをつぶしたりキャリアーを仕留めたりしており、その結果ランに対しては非常に強いディフェンスとなりました。

 

パスディフェンス

パスディフェンスは非常に弱かったです。その要因は前述のとおり、パスラッシュでのプレッシャー不足と、パスカバー能力の低さにあります。

まず、パスラッシュに関して、チームの合計サック数は40。チームのサックリーダーはBucknerで9.5。Bucknerはインサイドからプレッシャーをかけれる非常に優秀なDTでした。また、NT Stewartもサック数こそ少ないですが、インサイドからのプレッシャーに貢献できていました。総じてインテリアのプレッシャーはしっかりかけることができていました。問題はEdgeからのパスラッシュです。DE(コルツは4-3ディフェンスなので。)のサック数合計は22.5と全体のうちおよそ半分ほど。IDLが強力だったのでなんとかなっていましたが、Edgeからのプレッシャーはもう少し欲しかったです。HoustonやAutryは優秀なDEですが、パスラッシュでのインパクト不足は否めません。総じてインパクトのあるEdge Rusherがいなかったために、パスラッシュでのプレッシャーをかけきることができず、その結果としてパスディフェンスの弱さの一因となってしまいました。

他方、パスカバーに関して、こちらもかなり課題の残る出来でした。パスカバーにおける弱点は2つありました。一つはディープカバーです。アサイメントミスなのかDBの能力の低さなのか原因は明確ではありませんが、ディープゾーンで相手ターゲットが誰にもカバーされずにワイドオープンになってしまっている場面が多かったです。またCBの個の力が弱く、MtoMやゾーンでのディープカバーの能力が低かったため、ディープでの1on1の勝負で負けてしまったり、大外のWRに縦にぶち抜かれてしまったりする場面も多かったです。ただ、これに関してはCBだけでなく、FSの問題も関係しています。もしFSが全盛期のFookerならカバーできる範囲が広いので、ある程度大外のヘルプにも回れたはずです。しかし今シーズンはFookerがシーズンエンドしてしまいました。そして代わりにスターターとなったのがルーキーFSのBlackmonだったのですが、Blackmonは2HighタイプのFSで、Fookerのように広い範囲をカバーする能力がなかったため、結果大外のディープは完全にCBとの1on1となってしまいました。もう一つのパスカバーの弱点としてミドルゾーンへのパスも挙げられると思います。LBのパスカバー能力が抜群に高いわけではなく、またPAが入るとどうしても下がるのが遅れてしまうため、Zone Coverを敷いてもミドルゾーンへのパスをホイホイ通されてしまいました。かといってCBのMtoMも弱いので、WRのアクロスパターンを抑えることができず、結果としてミドルゾーンへのパスにかなりやられてしまいました。

これは少し余談でプレーコール面に関して言及すると、DBのパスカバーがよくないので、DCに対してはもっとブリッツを入れてほしかったというのが本音でした。しかし、今年のスーパーボウルを見てうちのDCがやりたかったのはこういうことだったのかなと思いました。だとするともう少し強力なEdge Rusherが必要だっと思いますが…。

総じて以上のような要因により弱いパスデイフェンスとなってしまい、その結果敗戦してしまう試合も多かったです。

 

DL

スーパーDT Bucknerの加入によって一気にユニットとしての強さが上がりました。スターティングメンバーはLDE Autry、DT Buckner、NT Stewart、RDE Houston。IDLは申し分ない出来でしたが、DEは物足りない出来でした。

 

・Deforest Buckner(DT)

GP TKL SACKS  PD INT FF FR
15 58 9.5 3 0 2 1
             

スーパーDT。3テクながらチームトップの9.5サックをしており、それ以外にもパスラッシュにおいてかなりプレッシャーをかけていました。また、相手OLを押し込んだりロスタックルをしたりとランディフェンスにおいても大きく貢献。BucknerはAaron DonaldさえいなければリーグトップのDTといっても過言ではなく、その存在感は破格です。コルツディフェンスにとっては何よりも替えの利かない選手です。それはコロナでBucknerが離脱し惨敗したW12のタイタンズ戦を見れば明らかです。今年のコルツディフェンスの功績の大半はBucknerによるものと言っても過言ではありません。

 

・Grover Stewart(NT)

GP TKL SACKS  PD INT FF FR
16 53 0.5 1 0 0 0
             

今年覚醒したNT。覚醒した要因はBucknerとのシナジーだったのではないかと思います。実際Bucknerと並んで凶悪なIDLの布陣となりました。1on1のブロックに対してはしっかりと相手OLを押し込むことができ、ダブルチームに対しても押されずにしっかりとプレッシャーをかけることができるため、ランストップにおいて非常に大きな役割を果たしていました。今シーズンの強力なランディフェンスの立役者と言っても過言ではありません。また、スピードも体格の割にあるのでパスラッシュでもそれなりのプレッシャーをかけることができていました。数字以上に大きな役割を果たしており、コルツの優秀なフロント陣の中でも重要な一員です。

 

・Denico Autry(DE)

GP TKL SACKS  PD INT FF FR
14 33 7.5 0 0 0 0
             

Buckner加入前はDTでプレーしていましたが、Bucknerの加入でDEへと移動。元3テクだけあってPower Rusher系のDE。相手LTを押し込みながらパスラッシュをかけることができ、7.5サックを記録しています。派手さはないですが大きなミスも少ない優秀なDEです。またパスシチュエーションでは3テクに入ることもできるので割と万能な選手です。

 

・Justin Houston(DE)

GP TKL SACKS  PD INT FF FR
16 25 8 0 0 1 2
             

 一応エースDE。8サックとまずまずの記録。そこそこ活躍はしており、いまだ優秀なDEです。しかし、年齢もあるのでエースDEとしてのインパクトが物足りなかった感は否定できません。

 

・Al-Guadin Muhammad(DE)

Houstonらとローテで出場。ランディフェンスではそこそこの活躍を見せましたがが、パスラッシュではコンスタントな活躍がみられずいまいちでした。

 

・Kemoko Turay(DE)

パスラッシャーとして期待されつつもケガがちで離脱が多いです。復帰後は何度か活躍を見せたので活躍できる可能性は十分ありそうです。

 

LB

 超ウルトラスーパーエースLB Leonard様様を擁し、他の選手も安定した活躍をしているため、ハイレベルで安泰なユニットです。メンツは、4DBではMike Walker、ILB2人がLeonardとOkerekeですが、5DBではLeonardの相方としてOkerekeの出場割合が多かったように思います。

 

・Darius Leonard

GP TKL SACKS  PD INT FF FR
14 132 3 7 0 3 2
             

 コルツディフェンスの象徴的存在。スタッツからも分かるように、Leonardの凄さはブリッツからランディフェンス、パスカバーまでどんな場面でもプレーに絡むことができるところです。そして、W15のテキサンズ戦終盤のFFのように、大事な場面でビッグプレーを巻き起こし、戦局を覆すことのできるスター性も持ち合わせた超ウルトラスーパーエースLBです!ランストップ能力が非常に高く、強力な差し込みで相手ランプレーに対して楔を打つことができるだけでなく、自らフィニッシャーとして相手キャリアーを仕留めることもできます。パスにおいては、相手のパスを読んでカバーするのが得意な一方で、要所でのLeonardのブリッツも非常に大きな武器となっています。今シーズンの試合でもLeonardのプレーにディフェンス、ひいてはチームが何度も救われました。Leonard様様。

 

・Bobby Okereke

GP TKL SACKS  PD INT FF FR
14 72 0 6 1 0 1
             

 今シーズン出場機会が増えた若手LB。特に、5DB時のLeonardの相方としてWalkerに代わってOkerekeが出場することが多くなりました。6PD、1INTとパスカバー能力ではWalker Jr.より高く、その部分が買われている模様。ランストップでも素早い上がりを見せるなど良いプレーを見せており、スターターとして着実に伸びてきています。

 

・Anthony Walker

GP TKL SACKS  PD INT FF FR
16 92 0 5 1 0 1
             

 Mike。派手さはないですが、安定して相手を止めることができる優秀なMikeです。パスカバー能力はOkerekeに劣りますが、ランストップ能力、特にキャリアーを仕留めるフィニッシャーとしての能力はまだWalkerのほうが高いといえそうです。また、プレースキルとは別に、頭脳面での能力が高く、Leonardも司令塔としてのWalkerに厚い信頼を置いているので、チームにとって彼の存在はスタッツやプレーで表れている以上に大きいのかもしれないです。

 

SF

スターティングメンバーはSS Willis、FS Blackmon。ユニットとして悪くはないです。ランサポートは良いのですが、パスカバーは多少の不安が残ります。

 

・ Khali Willis(SS)

GP TKL SACKS  PD INT FF FR
14 85 2 6 2 1 0
             

 2年目(2020シーズン時点)の若手SS。目立つような派手さはないですが、堅実で安定したプレーができる隠れ優秀なSSです。ランサポート能力に非常に長けており、Box付近に置いても十分ランストッパーとしてプレーできます。また、パスカバーでもマンツーマンやゾーンカバーが安定しています。昨シーズンから試合に出場しており、今シーズンはスターターとしてより安定した活躍ができるようになりました。加えて今シーズンは2INTを記録しており、目立つプレーも増えてきました。

 

・Julian Blackmon

GP TKL SACKS  PD INT FF FR
15 42 0 6 2 1 0
             

もともとスターターのFS Fookerがケガでシーズンエンドしたことによって、以降スターターとなったルーキーFS。ルーキーながら2INT、1FFと大活躍。特にW11 パッカーズ戦のOTでのBlackmonのFFは、勝利の決定打となったため大きなインパクトを残しました。ランサポートでの上がりも非常に速く典型的な2High SFといった感じです。一方で1Highでのカバー範囲の広さやディープセンターのカバーはまだまだ未完成です。しかし3巡ながらこれだけインパクトある活躍ができたのは良かったと思うので、今後にも期待です。

 

・Malik Fooker(FS)

もともとスターターだったFSだが、W2の途中でケガしてシーズンエンドしました。1High FSとして優秀な選手だったのですが…。本人にとっても契約最終年だったので残念です。

 

CB

ディフェンスの中でみると唯一力が大きく劣っているユニットでした。元プロボウラー Xavier Rhodesを加えたものの、ユニットのレベルはさほど高まりませんでした。前述した通り、CBの個の力不足がディフェンス全体の弱点へとつながってしまい、結果それがチーム全体の試合結果にも響いてしまうという形になってしまいました。スターターNCB Moore、RCB Rhodes、LCBは当初Ya-Sinでしたが、中盤辺りからMoore、あるいはYa-SinとCarrieのローテとなりました。

 

・Kenny Moore II(NCB)

GP TKL SACKS  PD INT FF FR
16 80 2 12 4 1 0
             

5DBではNickelに入り、4DBでは大外CBにも入る選手。NCBとしては非常に優秀でインパクトある活躍ができる選手です。特にW14のレイダース戦でのEZ内でのワンハンドINTは大きな注目を集めました。スタッツにも表れている通り、ランにもパスにも絡むことができる選手です。ランサポートが非常によく、彼がキャリアーを仕留めてランを止めている場面も多いです。またNickel Blitzも大きな武器となっています。パスカバーにおいてもゾーンカバーが得意で、特にQBとターゲットの間にスッと入るのが上手いです。一方でMtoMのカバー能力が高くないのが弱点です。また、大外のCBに入ることも多かったですが、Mooreはプレーに絡んでなんぼの選手なので、ランなどに絡みずらい外CBにはあまり向いていないと思います。とはいえ、今シーズンはインパクトのある活躍も多く、NCBとして大きな存在感を示していました。

 

・Xavier Rhodes

GP TKL SACKS  PD INT FF FR
16 42 0 12 2 0 0
             

 今シーズンFAで獲得した元プロボウラーCB。初戦でやられて不安でしたが、その後はINTや要所でのPDなどビッグプレー連発で挽回。しかし、最終的には大きく跳ねることもなく、ほどほど良かったねで終わってしまった感は否めません。Rhodesは悪くはなかったですが、めちゃめちゃ良かったわけでもない、けどやっぱり悪くはないといった印象です。

 

・Rock Ya-Sin

GP TKL SACKS  PD INT FF FR
13 45 0 7 1 1 0
             

 2年目の若手CB。上位指名なので期待はしていたのですが、正直満足できる内容ではありませんでした。まだまだ粗削り感があり、良い時は良いけど、悪い時は悪いといった感じのパフォーマンスでした。特にWRとのディープでの1on1に課題があり、縦にぶち抜かれてしまう場面も多かったです。当初はスターターだったのですが、安定しないパフォーマンスやケガも重なり、Carrieとのローテとなってしまいました。

 

・T.J. Carrie

GP TKL SACKS  PD INT FF FR
15 32 0 8 2 0 1
             

当初は控えでしたが、Ya-Sinの不調でローテ先発に昇格しました。2INTは記録しているものの、Ya-Sin同様特にDeepでの1on1に課題があり、縦にぶち抜かれてしまう場面が多かったです。結局Ya-SinもCarrieも、どっちもどっちで悪かったといった感じです。

 

・Isaiah Rodgers

今年のドラフト6巡で指名したルーキーCB。 レギュラーシーズンでも出場していたみたいですがあまり印象に残っていないです。しかし、スピードがありそうで、プレーオフWCのビルズ戦では急遽数プレー出場し、EZ内でほぼINT(INTかと思ったが判定で覆った)のプレーを披露したので、可能性は感じました。レギュラーシーズンのうちにもう少し試してもよかったかなと思いました。また、KRとしても出場し、W5のCLE戦ではリターンTDを決めているので、STの戦力にもなりそうです。

 

ST

FG

・K Rodrigo Blankenship

GP FG FG% 1-19 20-29 30-39 40-49 50+ LNG XPM-XPA PTS
16 32-37 86.5 0-0 10-10 12-13 9-11 1-3 53 43-45 139
                     
今シーズンドラ外FAで契約したルーキーK。メガネをしているのであだ名はメガネK。ルーキーにしてはまずまず合格点の内容だったのではないでしょうか。40yd以上の成功率をもう少し上げたいです。
 

KR

CLE戦でRodgersがリターンTDを記録しました。
 

Punt

・P Rigoberto Sanchez
シーズン途中で癌の手術のため離脱しましたが、すぐに復帰しました。癌という割にはあっさり戻ってきたので一安心です。Pとしては非常に安定していました。
 

まとめ

2020シーズンレビューはここらへんで終わります。次回はオフシーズン課題と今後の展望について書きたいと思っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。