コルツキングダム 〜NFLコルツファンブログ〜

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コルツ 2020シーズンレビュー①(チーム総評・オフェンス編)

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今回は、コルツの2020シーズンのレビューをしていきたいと思います。全2回に分けて、今回は①としてチーム総評とオフェンスについてレビューしていきたいと思います。

 

 

チーム総評

・最終成績

11勝5敗(地区2位)

第7シードでプレーオフ進出(ワイルドカードラウンドでビルズに敗退)

まずは何より、今年はコロナ禍で様々な影響がありましたが、無事全シーズンを完遂できてよかったです。

さて、今シーズンのコルツですが、成績的にはまあ合格点といえるのではないかと思います。Luck引退のドタバタ2019年から1年で再びプレーオフ進出まで駒を進めることができました。

レギュラーシーズン成績は11勝5敗で地区2位。地区優勝はタイタンズでしたが、勝率は同じ11勝5敗です。これに関しては、コルツがW1でジャガーズに負けていなければ…、W17のテキサンズ vs タイタンズテキサンズが逃げ切っていれば…などもう少しで地区優勝できただけに非常に悔やまされます。プレーオフ進出も今年新設された第7シードに滑り込んで得た枠なのでラッキーでしたね。とはいえ、どんな形でも進出できたことには変わりないので良しとします笑。

今シーズンのコルツは特別強かったという印象はあまりありません。ただ、弱かったという印象もありません。The ふつう。オフェンス・ディフェンスどれも平均以上の力でバランスがとれていたチームだったと思います。また、テキサンズをはじめ相手チームのミスに救われていた部分も大きかったように思います。総じて、決して上出来とはいえませんが、なんとかそれなりの結果は出したシーズンでした。

 

オフェンス

Total  Rushing Passing Points
YDS YDS/G YDS YDS/G YDS YDS/G PTS PTS/G
6049 (10位)
378.1
1996 (11位)
124.8
4053 (11位)
253.3
451 (9位)
28.2
               
 
Turnovers(Giveaways)
INT FUM Total
11 4 15(3位)
     

https://www.espn.com/nfl/stats/team/_/view/offense/stat/rushing

 

スタッツで見るとTotal、Rushing、Passing、得点とどの要素でも全体で10位前後のランクに位置しています。ラン、パスとバランスの良いオフェンスでした。

ターンオーバーに関してはトータル15回で32チーム中3位の少なさ。これはファンブルが少なかったことによるもので、INTの回数は少なくありませんでした。

オフェンスに関しては、もう少し頑張てほしかったというのが率直な感想です。 スタッツでは見えてきませんが、実際は要所で攻めきれなかった場面が非常に多かったです。オフェンスの得点力不足によって負けた試合も多く、また勝利した試合もディフェンスによるものが多かったです。オフェンスがもう少し強ければもっと勝ち星を増やしたり、楽に勝つことができたと思います。このオフェンス不振の最大の要因はパスオフェンスの不振だと思います。これに関しては後述します。

ここで少しプレーコールについて言及すると、HC Reichのプレーコールは保守的で、悪かったものはそう多くはありませんでした。ただ、すごく良いというコールも少なく、もうひとひねりあるコールを入れてほしかったというのが本音です。要所での勝負強さには欠けていたかなと思います。

 

ラン

ATT YDS AVG YDS/G TD FUM
459 1996 4.3 253.3 20 1
           

 

ランが今シーズンのコルツオフェンスの要となっていました。安定したOLとスパールーキーTaylorのおかげです。特にTaylorはルーキーイヤーで1000yd越えの大活躍。ランがしっかり出せていたので、良くも悪くも安定したオフェンスとなりました。

 

パス

CMP ATT CMP% YDS AVG YDS/G TD INT SACK
371 552 67.2 4053 7.6 253.3 24 11 21
                 

 

スタッツでは分かりずらいですが、コルツのパスオフェンスは不振でした。ショートやミドルのパスをコンスタントに決めることができず、また要所でのINTも多かったです。またショートやミドルのパスが多く、ロングパスはほとんどなかったため、パスの脅威が薄かったように思います。もう少しパスが脅威となればランも出しやすくなったはずですが…。せめてショートやミドルのパスはもう少しコンスタントに決めてほしかったです。結果としてパスオフェンスの不振がオフェンス全体の不振へとつながってしまいました。この原因はQBとWRら双方の問題によるものです。

 

QB

・Philip Rivers

  Passing
GP CMP ATT CMP% YDS AVG YDS/G TD INT SACK
16 369 543 68 4169 7.7 260.1 24 11 19
                   

 年齢的な問題もあり、QBとしては正直厳しかったかなと思います。ロングパスをあまり投げれず、ショートやミドルのパスでもスローミスが目立ちました。また、球速が遅いために決めきれない場面も多かったです。また要所でのINTも厳しかったです。特に追い上げる展開になると無茶なロングパスを投げてINTされるというシーンが多かったです。こうした要因がパスオフェンスの不振につながってしまいました。

 

・Jacoby Brisett

  Passing
GP CMP ATT CMP% YDS AVG YDS/G TD INT SACK
11 2 8 25 17 2.1 3.3 0 0 2
Rushing      
ATT YDS AVG YDS/G TD FUM FD      
17 19 1.1 1,7 3 0 9      
                   

 スニーク要員。スニークで何度もチームのピンチを救ってくれました。しばしばスニークの余韻で次のプレーも出てきてパスしようとして結局失敗するのはやめてほしかったです。味方がTDすると外からダッシュしてきてセレブレーションに参加するところが好きです。

 

RB

出来の良くないコルツオフェンスを支え続けてくれた優秀なユニット。

 

・Jonathan Taylor 

  Rushing  
GP ATT YDS AVG YDS/G TD FUM FD  
15 232 1169 5.0 77.9 11 1 69  
Receiving
REC TGTS YDS AVG YDS/G TD FUM YAC FD
36 39 299 8.3 19.9 1 0 364 12
                 

 Taylor様様。MackがケガしたためW1から試合に出場し、ルーキーイヤーながら1000yd以上のランでまさに大車輪の活躍。要所で結果を残してくれるチームのエース。RBのショートのパスコースやチェックダウンなどReceivingでも貢献。これだけのオーバーワークでケガが心配でしたが、丈夫みたいです笑。本当にドラフトでTaylorとってよかった。逆にTaylorいなかったらと考えると恐ろしいです。

 

・Nyheim Hines

  Rushing  
GP ATT YDS AVG YDS/G TD FUM FD  
16 89 380 4.3 23.8 3 0 24  
Receiving
REC TGTS YDS AVG YDS/G TD FUM YAC FD
63 76 482 7.7 30.1 4 0 475 24
                 

パッとしないコルツオフェンスの中で、Taylorとともに貴重な戦力としてオフェンスを支えくれた功労者。TaylorのようなエースRBタイプではないですが、高いReceiving能力を持つユーティリティーな選手で、今年のコルツオフェンスにとってHinesの存在は非常に大きかったと思います。Taylor・HinesのRB Duo体制が固まってきたと思います。

 

・Jordan Wilkins

  Rushing  
GP ATT YDS AVG YDS/G TD FUM FD  
15 84 308 3.7 20.5 1 0 17  
Receiving
REC TGTS YDS AVG YDS/G TD FUM YAC FD
12 16 105 8.8 7.0 0 0 145 3
                 

3番手としてRBユニットを支えてくれました。派手さはないが堅実なプレーでオフェンスに貢献。控えRBとしてはレベルが高いです。

 

・Marlon Mack

前シーズンのエースRBでしたが、W1の試合途中でケガしてしまいシーズンエンドしてしまいました。その結果Taylorが新エースRBに。ケガがなければ活躍できたはずなので残念。今年が契約最終年だったので複雑です。

WR

 QBがRiversだったこともあり、ユニット全体としてパッとしませんでした。

 

・T.Y.Hiliton

  Receiving
GP REC TGTS YDS AVG YDS/G TD FUM YAC FD
15 56 93 762 13.6 50.8 5 0 193 42
                   


 最初こそあまり目立たなかったものの、シーズン後半からRiversともフィットし最終的にはエースWRとしてパスオフェンスをけん引してくれました。年齢的に全盛期ほどの活躍はできませんでしたが、それでも要所でのTYのキャッチに救われました。経験豊富な技術でまだまだコルツの若手WRたちには負けなさそうです。

 

・Zach Pascal 

  Receiving
GP REC TGTS YDS AVG YDS/G TD FUM YAC FD
16 44 71 629 14.3 39.3 5 0 240 29
                   

チームで2番目のレシ-ビングヤード獲得と、そこそこの活躍。特にシーズン後半はビッグプレイで存在感をアピールしていました。華のあるプレーができるエースWRのタイプではないですが、Slot WRとしてはそこそこ優秀(だと思いたい)。フリーになっていることも多く堅実なプレーができます。QB Riversじゃなかったらもう少し活躍していたかもしれないです。課題としては、それ捕ってほしかったなあ…というプレーが少なくないので、レシービング能力がもう少し上がれば活躍間違いなしだと思います。Pascalはフィジカルもそこそこ強く、Box内でのブロッカー要員となることも多いです。目立つことは少ないですが、実は現状のコルツオフェンスにとって替えの利かない存在になりつつあると思います。

 

・Michael Pittman Jr. 

  Receiving
GP REC TGTS YDS AVG YDS/G TD FUM YAC FD
13 40 61 503 12.6 38.7 1 0 280 22
Rushing      
ATT YDS AVG YDS/G TD FUM FD      
3 26 8.7 2 0 0 1      
                   

2020年ドラフト2巡のルーキーWR。カレッジではディープゾーンでの1on1に強かったのでDeep Threat系のWRとして期待していましたが、ディープのパスは結局1度も捕ることなく終わりました。 とはいえRAC(Run After Catch)には定評があるらしく、要所でのパスをキャッチ要所しフレッシュするなど、ルーキーとしてはまずますの活躍でした。もしかしたらRoute Runner系のWRだったのかもしれない…笑。

 

・Parris Campbell

サマーキャンプでも活躍を見せていたそうでかなり期待していましたが、W2でのケガでシーズンエンド。W1でもそのスピードで存在感を見せていただけに非常に残念でした。

 

・Marcus Johnson

TYやPittman Jr.が欠場している間、ロングパスをキャッチするなど、それなりの活躍を見せていましたが、主軸の復帰後は出場機会も減り、最終的にはチームからウェイブされてしまいました。

 

 TE

ブロッキングは良いのですが、全体的にパスとなると存在感がいまいちでした。

 

・Jack Doyle

  Receiving
GP REC TGTS YDS AVG YDS/G TD FUM YAC FD
14 23 33 251 10.9 17.9 3 1 94 13
                   


 万能型のエースTE。ブロッキングも良く要所でパスをキャッチするなど、華はないですが頼りになる存在でした。

 

・Mo Alie-Cox

  Receiving
GP REC TGTS YDS AVG YDS/G TD FUM YAC FD
15 31 39 394 12.7 26.3 2 1 189 19
                   

シーズン序盤にプチブレイクしましたが、次第に存在感は薄れていってしまいました。とはいえフィジカルがありブロッキングも優秀なので、2TE隊形の多いコルツにとっては重要な選手だと思います。

 

・Trey Burton

学生時代にQB経験があるようで、ワイルドキャット時にQB役になるなどおもしろい場面もありましたが、レシービングTEとしての存在感はいまいちでした。

 

OL

LT Anthony Castonzo、LG Quenton Nelson、C Ryan Kelly、RG Mark Growinski、RT Braden Smithの最強OL陣は今年も健在でした。コルツオフェンスの数少ないストロングポイントです。特にパスプロは素晴らしく被サック数は21とリーグで2番目の少なさです。一方のランブロックも優秀でしたが、圧倒というほどでもなかったため少し物足りなさがありました。とはいえ、コルツオフェンス、そしてチームの勝利を支えている非常に優秀な大黒柱たちです。

LG Nelsonはパスプロ時はトイの選手を圧倒していた上、広い視野で全体のヘルプにも回るなど、パスプロでは敵なしでした。ただ、ランブロックは押し込まれることもしばしばあり、少し物足りなさを感じました。(Nelsonに求めすぎているだけかもしれませんが笑。)総じて今年も最強Gの呼び声にふさわしいプレーを見せ、今年もAll proやPro Bowlにも選出されています。

C Kellyもドラ1にふさわしいプレーを見せ、今年のPro Bowlにも選出されました。RGのGrowinskiもこの5人の中では最も実力が劣るものの、派手な失敗も少なく無難なプレーを見せていました。

同期のNelsonに影を潜めているものの、RT Smithも非常に優秀なOT。近年は強力なパスラッシャー相手にも安定したプレーを見せており、コルツの最強OL陣にとって欠かすことのできない存在です。

また、逆サイドのLT Castonzoも言わずもがな非常に優秀なOTで、安定した活躍を見せていました。一方でそれだけ替えの利かない選手でありながら、ケガがちで欠場も多かったため、そしてCastonzoの欠場がOLの出来、ひいてはコルツオフェンスの出来に直結してしまった節があります。控えOTのClarkやHolden、Green、Veldheerらは控えとしては無難なプレーを見せていましたが、戦力ダウンとなってしまったことは否定できません。(こればかりは仕方ないことですが…。)それでもCastonzo以外は大きな離脱が少なかったのは非常に良かったです。

 

まとめ

今回はここらへんで終わりです。次回は②ということでディフェンスとスペシャルチームについてレビューしていきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。